Instagramが綺麗なカタログだとするなら、X(Twitter)は雑多な広場だ。
この違いを理解せずに、インスタと同じ写真を同じテンションで投稿しても、反応は薄い。
Xにおいて、写真は単なる視覚情報ではない。
それはコミュニケーションの種であり、テキストという導火線があって初めてバズる。
綺麗なだけの写真は、Xのタイムラインという濁流の中では一瞬で流されていく。
指を止めさせ、リポストボタンを押させるには、視覚的なインパクトに加え、誰かに伝えたくなる文脈が必要だ。
今回は、X特有のアルゴリズムとユーザー心理をハックし、写真をコンテンツとして成立させるための言語化戦略について話そう。
綺麗よりもエモい、完成度よりも物語
Xで好まれる写真は、コンテスト入賞レベルの完璧な構図ではない。
むしろ、どこか欠落していたり、見る側の想像力を掻き立てたりする物語性(ナラティブ)のある写真だ。
いわゆるエモいと言われるジャンルだが、これを言語化すると普遍的なノスタルジーへのアクセスということになる。
例えば、誰もいない夜のコンビニ、雨上がりのアスファルトの反射、夏休みの終わりのような入道雲。
こうした誰もが心の奥に持っている原風景を刺激する写真は強い。
見る人は、その写真の中に自分自身の記憶を重ね合わせるからだ。
インスタが私のキラキラした生活を見てというスタンスなら、Xはこの世界の美しさに気づいたという発見の共有だ。
絶景よりも日常の裂け目を撮る。
完璧に整いすぎた写真は他人事になるが、少し雑味のある生活感を含んだ写真は、自分事として拡散される。
テキストは詩であり、機材情報は餌だ
Xは本質的にテキストメディアだ。
そのため、写真に添える言葉は、画像の説明であってはいけない。
画像の世界観を増幅させるキャプションであるべきだ。
「海に行きました」ではなく、「夏が終わる音」がしたと書く。
写真が映像で、テキストが字幕。
このセットで一つの映画のように演出するのだ。
そしてもう一つ、Xの住人特有の習性を利用する。
それは異常なまでの機材好きという点だ。
写真アカウントのフォロワーの多くは、自分もカメラを持っている層だ。
彼らにとって、機材情報は最高のご馳走(餌)になる。
投稿のツリーやALTに、必ず「Camera: SONY α7IV / Lens: 50mm F1.2 GM」といったスペック情報を記載する。
あるいは、オールドレンズのフレアが最高すぎるといった機材語りを添える。
すると、写真の美しさに感動した層だけでなく、機材への興味を持った層も巻き込めるのだ。
美しさで掴み、スペックで納得させる。
この二段構えが、エンゲージメント率を跳ね上げる。
ゴールデンタイムに投下し、初速を稼ぐ
どれだけ良い写真と言葉を用意しても、誰もいない広場で叫んでいては意味がない。
Xのアルゴリズムは投稿直後の初速を重要視する。
だからこそ、人がスマホを見ているゴールデンタイムを狙い撃ちする必要がある。
一般的に最強なのは、通勤・通学時間の朝6時〜8時、昼休憩の12時〜13時、そして帰宅後のリラックスタイムである夜20時〜22時だ。
特に写真は、夜のセンチメンタルな時間帯と相性が良い。
また、自分のフォロワーのアクティブな時間を肌感で掴むことだ。
予約投稿機能を使い、最もタイムラインが賑わう瞬間に渾身の一枚を投下する。
流れるプールに逆らわず、流れが最も速い場所に飛び込むイメージだ。
写真は撮って終わりではない。
届けて初めて作品になる。
Xは、あなたの写真を世界へ運ぶ最強の翼になるはずだ。
