新しい表現に挑もうとする時、どうしても機材の壁にぶつかることがある。
この描写にはF1.2が必要だ。
この画角には超広角が欠かせない。
そう直感したなら、それは散財ではなく、クリエイターとしての正当な投資だ。
だが、予算は空から降ってこない。
重要なのは、貯金してから買うという鈍足な発想を捨てることだ。
僕たちに必要なのは、手元の死んでいる資産を特定し、それを生きている機材へと高速で変換するメタボリズムだ。
今回は、実践している機材入れ替えのための具体的な資金調達フローを紹介する。
ステップ1:まずは撮りたい画を決め、必要額を逆算する
資金作りのスタート地点は、何を売るかではない。
何を買うか、もっと言えばどんな画を撮りたいかを明確にすることだ。
ゴールが曖昧だと、資産整理のモチベーションが続かない。
まず、欲しい機材を特定し、その実勢価格を調べる。
そして、手持ちの現金からいくら出せるかを引く。
そこで弾き出された不足額こそが、今回捻出すべきターゲット金額だ。
なんとなく金ができたら買おうでは一生買えない。
来月の撮影までに20万円足りない。
この具体的な数字が確定して初めて、僕たちは部屋にあるモノを使用頻度ではなく、資産価値というフィルターを通して見ることができるようになる。
思考を所有から換金へと切り替えるのだ。
ステップ2:防湿庫の肥やしと乗らないバイクをリストアップ
ターゲット金が決まったら、資産の棚卸しに入る。
防湿庫の奥で半年以上眠っているレンズ、予備の予備になっているボディ。
これらは問答無用で売却候補だ。
いつか使うかもという「いつか」は、クリエイター人生において永遠に来ない。
そして、視野を部屋全体、あるいはガレージにまで広げてほしい。
意外な高額資産が眠っていないだろうか。
僕の場合、それはバイクだった。
かつてはロケハンに使っていたが、今は街歩きスナップが中心で、カバーを被ったまま放置されている鉄の塊。
乗らなくなったバイクは、維持費を食うだけの負債だが、売却すれば大三元レンズやハイエンドボディに化ける巨大な資産だ。
趣味が変われば道具も変わる。
過去の趣味を、現在の情熱の燃料にする。
この転換こそが、最も効率的な資金作りだ。
ステップ3:交渉時間はゼロにする
売却候補が決まっても、店に持ち込んだり、相見積もりを取ったりする時間は無駄だ。
クリエイターの時間単価は安くない。
事務作業に時間を奪われて、肝心の撮影機会を逃しては本末転倒だ。
だから僕は、すべてをオンラインで完結させる。
特にバイクのような大型資産の場合、バイクワンのようなオンライン自動査定サービスが強力な武器になる。
メーカーや車種、年式を入力するだけで、その場で概算の買取相場が分かるからだ。
あとは出張買取を依頼して引き渡すだけ。
面倒な手続きや交渉をショートカットし、最短ルートで資金を確保する。
浮いた時間と確保した資金で、すぐに新しい機材を注文し、次の制作に入る。
このスピード感こそが、クリエイティブの質を高めるのだ。
